犬がかかる代表的な皮膚病の種類!症状や原因を解説!!
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皮膚病は犬にとっても非常に不快な疾患で、さまざまな症状を惹き起こします。
そこで今回は、犬の皮膚病で現れる症状、代表的な皮膚病とその主な原因について解説していきます!
犬が皮膚病に罹っている場合に現れる症状
犬が皮膚病に罹っているときによく見られる症状について、それぞれ以下に説明します。
毛が抜ける
皮膚病による炎症や感染により「毛包」が壊され、毛の成長が阻害されてしまうことにより犬の毛が抜けやすくなることがあります。
毛が抜けると、寒さに弱くなったり、皮膚が直接外部環境にさらされたりすることで、さらに皮膚トラブルを惹き起こす場合があります。
かゆがる
皮膚病は、強い痒みを惹き起こすことがあります。
その痒みを和らげるため、自分の体を舐めたり、噛んだり、掻いたりする行動が見られますが、これらの行動が皮膚をさらに刺激し、症状を悪化させる場合があります。
発疹が出る
皮膚病は、皮膚の表面に赤い発疹を惹き起こすことがあります。
これは、皮膚の炎症や感染が皮膚の血流を増加させ、皮膚が赤く見えるようになるためです。
発疹は一般的に痒みを伴い、掻くことで皮膚を傷つけ、感染のリスクを高める可能性があります。
かさぶたやフケが多くなる
皮膚の炎症や感染により皮膚細胞のターンオーバーが速くなり、皮膚の表面に死んだ皮膚細胞が、かさぶたやフケとして溜まりやすくなります。
かさぶたやフケは、皮膚の健康状態を示す重要な指標であり、多い場合は皮膚病の可能性がありますので、かかりつけの病院へ相談してみましょう。
皮膚や毛がベタベタする
皮膚の炎症や感染が油腺を刺激し、皮脂の生産を増加させることが原因です。
皮脂は皮膚を保護し、乾燥を防ぐ役割がありますが、過剰になると皮膚の表面がベタベタとし、毛が絡まりやすくなります。
皮膚病になる原因と代表的な疾患
皮膚病になる原因と代表的な疾患について、以下に5つご紹介していきます。
① 感染症(細菌、真菌など)
細菌や真菌が皮膚に感染することで皮膚病が発症します。
特に、皮膚の常在菌「ブドウ球菌」が、皮膚にできた傷口から侵入することによって起こる病気を膿皮症といいます。
また、感染により皮膚のバリア機能が低下することで、さらなる細菌の増殖につながる場合があります。
■代表的な疾患
マラセチア性皮膚炎
マラセチア性皮膚炎は、犬の口や顎、鼻、耳、首、内股、脇の下、肉球、爪の間、肛門、尻尾など、さまざまな場所で発症することがあります。
主な症状としては、赤みや痒み、脂漏、フケ、臭いなどがあります。
症状が進行すると、犬の毛が抜けたり、皮膚が厚く・硬くなったり、黒く色素沈着したりするケースもあります。
② 寄生虫(ノミ、ダニなど)
犬の皮膚病には寄生虫が原因となるものがあります。
特にノミやヒゼンダニ、マダニ、シラミなどが原因となり、犬の皮膚に寄生し、皮膚を刺すことで炎症を惹き起こします。
また、寄生虫の唾液や排泄物によってアレルギー反応を惹き起こすこともあります。
■代表的な疾患
角化型疥癬
角化型疥癬(かくかがたかいせん)とは、皮膚にイヌセンコウヒゼンダニが寄生することにより炎症が惹き起こされる疾患です。
主な症状は、皮膚の痒みや発疹、皮膚の乾燥などがあります。
ダニは季節や年齢・犬種に関わりなく感染し、角質層に穴を掘って産卵しながら約3週間生息します。
ニキビダニ症(毛包虫症)
ニキビダニは主に毛穴に常在するダニで、健康な犬にも常在しているため通常は問題になりません。
主な症状は、皮膚の痒みや発疹、赤み、毛穴の詰まりなどがあります。
免疫力の低下などが原因となりダニが増えると、皮膚炎の症状を呈します。
原因となった病気の治療など適切な駆虫療法に加え、補助的なスキンケアも必要です。
③ アレルギー性皮膚炎
アレルゲンによって、犬体内の免疫機構が過剰に反応するため生じる皮膚炎です。
アレルゲンの種類にはノミやハウスダスト、花粉や食物などがあります。
特に食物アレルギー性皮膚炎は、特定の食べ物を体が異物と判断し皮膚炎を発症するため、フードやおやつの原材料の確認をする習慣をつけておくことをおすすめします。
■代表的な疾患
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚の痒みが主な症状です。痒みは耳、脇、股、足先、口や目の周りなどに出ることが多く、犬がしきりに体を舐めたり噛んだりする行動が見られます。
症状が進行すると皮膚に赤みや脱毛、小さな発疹が見られ、細菌による二次感染で症状が悪化することもあります。
また、アレルギー性皮膚炎を起こしやすい犬の場合、脂漏症を発症することがあります。
脂漏症は、フケや皮膚の痒み、そして独特なニオイが主な症状です。
遺伝的要因、代謝の要因、常在菌の要因、表皮のターンオーバーの要因、皮膚炎の要因、環境要因、食事の要因など、さまざまな原因があります。
脂漏症の原因に合わせた薬物療法やスキンケアなどの治療が必要です。
④ ホルモン異常
犬のホルモンの異常な分泌や代謝によって、皮膚病が惹き起こされることがあります。
ホルモンの分泌を制御するシステムがバランスを崩すと、皮膚に様々な症状が現れることがあります。
原因に合わせた薬物療法や必要に応じて外科手術などの治療が必要です。
■代表的な疾患
甲状腺機能低下症
甲状腺機能低下症は、甲状腺ホルモンの分泌が低下する病気で、中高齢以降の犬でよく見られます。
原因は自己免疫異常や特発性で、甲状腺ホルモン薬を服用することで体内の甲状腺ホルモンの量が正常に戻り、症状が改善されやすくなります。
⑤ 心因性(ストレス)
ストレスが原因で皮膚病になることもあります。
運動不足や住居環境によるストレス、飼い主との不仲、多頭飼いや他の種類のペットとの相性の悪さなどにより、心因性の皮膚病を惹き起こします。
主にストレスによる問題行動(皮膚をなめる、噛む、掻くなど)が、皮膚病の発症につながりやすくなります。
まとめ
今回は犬の皮膚病というテーマで、皮膚病のときに現れる症状、主な皮膚病とその原因について解説しました。
皮膚病の原因になるものを遠ざけ、愛犬の生活環境やフードにしっかりと管理し、元気に生活して欲しいですね!
次回のPLUS CYCLE通信では、アレルギー性皮膚炎の犬にPLUS CYCLEをつけることにより「痒み」を活動量からイメージできた一例についてご紹介します。
ぜひ、PLUS CYCLEで愛犬との健康的な生活を!
【医療監修:日本動物高度医療センター】
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