犬は1日どのくらい寝るの?睡眠時間と快適に眠れる環境づくりのポイント
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目次
飼い主さんとお話ししていると、
「うちの子はずっと寝てるから(笑)」というお話をよく聴きます。
なぜ、犬はそんなに長く眠るのでしょうか?
また、一日にどれくらいの眠るのでしょうか?
今回の記事では、年齢・犬種ごとの睡眠時間、犬が長く眠っている理由、睡眠時間が変化した場合のリスク、および、犬にとっての快適な睡眠環境についてご紹介します。
また、PLUS CYCLEユーザーのデータを基に、休息・睡眠時間の実測値ついてもご紹介します。
犬の平均的な睡眠時間はどのくらい?
いつも寝ているイメージがある犬ですが、一般的にはどのくらい寝ているのでしょうか?
ここでは、子犬期・成犬期・シニア期ごと、および、犬種ごとの一般的な睡眠時間についてご紹介し、犬猫用活動量計 PLUS CYCLEユーザーのデータについてもご説明します。
子犬の睡眠時間
1歳までの子犬の睡眠時間は18〜19時間といわれています。
子犬は、身体や脳の発達に睡眠が必要なため、静かな環境で眠らせてあげましょう。
生後3週齢ぐらいまでの子犬は、母乳をもらうとき以外は1日中寝ています。
睡眠の種類はレム睡眠(浅い眠り)が主となり、3週齢ごろからレム睡眠とノンレム睡眠(深い眠り)の割合が半分ずつになり活動する時間も増え、睡眠時間は短くなっていきます。
生後2~3ヶ月頃の子犬は、動きは活発になるものの、まだ1日のほとんどを寝て過ごします。
散歩や遊びなどで充分に運動させたら、睡眠時間もたくさんとってあげましょう。
生後4~5ヶ月になると睡眠に個性が出始めます。まとめてたくさん寝たり、逆にあまり寝なかったり。とは言え、まだ子犬ですので、14~16時間程度しっかりと睡眠時間を確保しましょう。
成犬の睡眠時間
成犬(1〜8歳ぐらい)の睡眠時間は12~15時間と言われています。
子犬期や老犬期に比べて、昼間の活動時間が長く睡眠時間は短い傾向にありますね。
老犬の睡眠時間
シニア期(8歳以降)は18〜19時間くらい眠ります。
老犬になると体力が衰え活動時間は短く休息を多くとる必要があるため、成犬期と比べて睡眠時間は長くなる傾向にあります。
PLUS CYCLEユーザーの睡眠時間
ここで、PLUS CYCLEを利用している成犬の睡眠データをご紹介します。
PLUS CYCLEでは、全く活動していない時間を休息睡眠時間として計測し、1日の休息睡眠時間を算出しています。
※ 昼間と夜間については、大学との共同研究により、飼い主さんの活動時間を基に昼間(6時~24時)、夜間(0時~6時)と定義しています。
過去に報告されている成犬の睡眠時間の範囲にありますが、休息時間も含めると少し長めですね。
夜間は6時間のうち平均5時間と、8割は睡眠していることが明らになりました。
犬種によって睡眠時間は違う?
犬種ごとで睡眠時間は異なるのでしょうか?
一般的には、大型犬の方が小型犬より睡眠時間が長い傾向にあると言われています。
ここでは、人気3犬種の睡眠時間についてご紹介していきます。
トイプードル
トイプードルは小型犬ですが睡眠時間が長く、平均で12~15時間ほどです。
もともと狩猟犬として活躍していた名残で活発に動いた分、長く眠ってしまうのではと考えられています。
チワワ
チワワの睡眠時間は、10時間ほどです。
小型犬で運動量も少なめなチワワは、体力を消耗しない傾向にあるため、睡眠時間が短い傾向にあるようです。
ミニチュアダックスフンド
ダックスフンドの睡眠時間は、平均で11〜15時間ほどです。
ダックスフンドもトイプードルと同じく狩猟犬として活躍していたため、小型犬でも睡眠時間が長い傾向にあります。
※参照先:ジャパンケネルクラブ 2022年犬種別犬籍登録頭数
PLUS CYCLEユーザーの犬種別睡眠時間
ここで、PLUS CYCLEを利用している3犬種(成犬)のデータについてご紹介します。
トイプードルやミニチュアダックスフンドについては、一般的に言われているように14~15時間の睡眠時間が認められましたが、チワワも実際は15時間程度しっかり寝ているようです。
興味深いのは、夜間の睡眠時間は3犬種ともに同程度ですが、トイプードルは昼間の睡眠時間が他と比べて短く、活発に動いていることが伺えますね。
皆さんも、愛犬の睡眠時間を正確に測定してみてはいかがでしょうか?
なぜ犬は長時間寝るのか
ここまで犬の睡眠時間についてご紹介しましたが、ヒトと比べると結構長いですよね。
それでは、なぜ犬は1日に10時間以上も長く眠るのでしょうか。
犬はヒトよりも眠りが浅い
浅い眠りを「レム睡眠」、深い睡眠を「ノンレム睡眠」といい、人はレム睡眠が25%、ノンレム睡眠が75%であると言われています。
一方で、犬はレム睡眠が80%、ノンレム睡眠が20%と言われており、犬はヒトと比べて浅い睡眠の割合が圧倒的に多いことが知られています。
犬は短時間の睡眠と覚醒を繰り返している
犬の夜間行動に関する研究では、ヒトが寝ている8時間の間に、犬は16分の「短い眠り」と5分の「覚醒」を繰り返しているという結果が報告されています。
そのため、犬は多くの睡眠時間が必要になってくると考えられています。
睡眠時間が「長すぎる」「短い」場合は要注意
睡眠時間が長い犬ですが、愛犬がいつもより明らかに長く寝ている、あるいはいつもより寝られていない場合には、体調が悪い可能性があります。
睡眠時間が長すぎる場合
病気の可能性として、甲状腺機能低下症が考えられます。
甲状腺ホルモンの働きが低下すると、なんとなく元気がなく、立ち上がったり動いたりしたがらなくなります。
特に、高齢の中型犬・大型犬に発症することが多く、元気の低下のほかに脱毛・肥満傾向などの症状もみられます。
その他に、関節炎(変形性股関節症)などで足・腰が痛い場合も、あまり動きたくなくなり休息・睡眠時間が長くなってしまう原因となります。
また、引越しによる環境の変化など様々な理由によるストレスも、睡眠時間が長くなる理由の一つです。
睡眠時間が短い場合
夜の睡眠時間が短く眠りが極端に浅い時は、注意が必要です。
先ず、呼吸に異常があり眠りが浅い場合は、心臓疾患や呼吸器疾患の疑いがあります。
関節炎などで痛みがある場合も、浅い睡眠になり、特に夜間の睡眠時間が短くなります。
夜の睡眠時間が短く、昼の睡眠時間が長い場合
関節炎や腫瘍などの病気や、骨折などの怪我によりどこかに痛み(疼痛)があると、夜間の睡眠が浅く睡眠時間が短くなり昼間の睡眠時間が長くなる、ヒトで言うところの睡眠障害の様な症状が出ることが報告されています。
また、昼間の睡眠時間が長くなり、夜中に急に起きて意味もなく吠えたり、うろうろ歩き回ったりする昼夜逆転の症状がみられる場合は、認知症が疑われます。
睡眠時間の測定方法
とは言え、犬の睡眠時間の長さを測定するのはなかなか難しいですよね。
そんな時は、犬猫用活動量計「PLUS CYCLE」を使って、いつもの休息睡眠時間を測定してみてはいかがでしょうか。
PLUS CYCLEを活用することで、いつもの睡眠時間や、夜間にモゾモゾしていないか?などもグラフで確認することができます。
眠る時間が長くなった、逆に短くなったなど、いつもと違う睡眠の様子が見られたら、かかりつけ病院へ相談することをお勧めします。
犬が快適に眠れる環境づくりのポイント
犬もヒトと同じように睡眠の質が低下するとストレスが増え健康を害するおそれがあるため、愛犬が安心して充分な睡眠がとれる環境を整えることは、非常に重要です。
ぜひ、この機会に愛犬の寝床を再確認してみましょう。
狭くて薄暗い空間にする
犬は元々、巣穴で暮らしていたため、寝る場所は狭くて暗いところを好みます。
そのため、四方が壁に囲われた箱のようになっているクレートタイプのゲージが狭くて暗い場所としておすすめです。
通常の柵ゲージの場合は、柵を布などで覆ってあげることにより暗くなり、安心して眠れるようになります。
落ち着ける環境をつくる
犬は物音に敏感に反応するため、できるだけ静かな場所が適切です。
家の中に寝床を設置する場合は、玄関や廊下などの人が通る場所ではなく、なるべく騒がしくない静かな場所を選んであげましょう。
室温を調整する
睡眠の質を上げるには室温の調整も大切です。
犬の被毛構造から、以下の温度を目安に調整しましょう。
子犬期やシニア期の場合はうまく体温調整ができないため、冷えや暑さには要注意です。
また、冬の寒さ対策として床暖房や犬用のホットカーペットを使用することもありますが、暑くなったら体を冷やせるよう、床暖房やカーペットが影響しない場所も確保しておきましょう。
寝床とトイレを離す
犬はきれい好きな動物です。
寝床を清潔に保てるよう、トイレとは別々に設置してあげましょう。
適度に運動させる
愛犬が快適に眠れるように、適度に運動させましょう。
日中に適度に運動することにより、夜の快適な睡眠につながります。
朝晩の散歩は必ず行く、飼い主さんが帰宅したら十分に遊んであげる、など規則正しい生活をおくることで毎日の活動リズムが整い質の高い睡眠をとることができるでしょう。
PLUS CYCLEを活用して、毎日の活動リズムを確認したり、1日の適度な活動量と休息睡眠時間を探ってみたりするのもおすすめです。
まとめ
今回は犬の睡眠というテーマで、年齢や犬種ごとの睡眠時間や長く眠る理由、睡眠時間が変化した場合のリスク、犬が快適に睡眠をとれる環境について解説しました。
愛犬の睡眠環境を整え、良質な睡眠をとってもらうことで、元気に長生きして欲しいですね。
PLUS CYCLEを用いた休息睡眠時間の測定
休息・睡眠時間の測定には、犬猫用活動量計「PLUS CYCLE」がおすすめです。
愛犬の睡眠時間を同年齢・同品種と比較できる
愛犬の睡眠時間が、同じ犬種、同じ年齢の全国平均値と比較できるので、「よく眠れているかな?」「睡眠時間は足りているかな?」などグラフで確認できます。
1日グラフで確認できる
1日の活動量を見ることで、「夜、モゾモゾしてないかな?」など、夜間の活動から睡眠の質が確認できます。
快適な睡眠時間を目指した活動量が明確に設定できる
全国平均値との比較や、睡眠の質を見ることによって、ベストな睡眠をとるためには日中どのくらい活動すればよいか数値で目標が設定できます。
その目標値を目指して、散歩や遊びなど愛犬との生活を充実させましょう!
ぜひ、PLUS CYCLEを活用して愛犬の快適な睡眠環境を整えてくださいね!
【医療監修:日本動物高度医療センター】