犬の平均寿命は何歳?サイズや犬種による平均寿命の違いと長寿の秘訣
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目次
今回のテーマ「犬の平均寿命」は、愛犬と一緒に暮らしている方、これから犬を家族としてお迎えしようとしている方など、多くの愛犬家の皆さんにとって気になることですよね。
最近では、動物医学の発展や飼育環境の最適化により、犬の平均寿命も少しずつ延びてきました。
本ページでは、犬の平均寿命や寿命が延びてきた理由、そして、末永く健康的に一緒に暮らすための秘訣についてご紹介します。
犬の平均寿命
犬の平均寿命は、何歳くらいなのでしょうか?
2022年の一般社団法人ペットフード協会による全国犬猫飼育実態調査では、日本で飼育されている犬の平均寿命は14.76歳と報告されています。
動物医学の発展など様々な理由により、2010年の13.87歳と比べて寿命が0.89年延びてきています。
サイズや犬種によって寿命は変わる?
小型犬は中型犬・大型犬よりも寿命が長い傾向にあります。具体的なメカニズムははっきりと解っていませんが、実際に平均寿命を比較すると、上位に小型犬、下位に大型犬が目立ちます。
ここでは、犬のサイズと寿命について詳しく紹介していきます。
超小型犬・小型犬の平均寿命
前述の全国犬猫飼育実態調査によると、超小型犬の平均寿命は15.31歳、小型犬の平均寿命は14.28歳と報告されています。
また、アニコムによる家庭どうぶつ白書2022では、平均寿命が特に長い犬種としては、トイ・プードル、カニーンヘン・ダックスフンド、ミニチュア・ダックスフンド、柴犬などが挙げられています。
一方で、同じ小型犬でもパグやボストンテリアなどの短頭種は、平均寿命が短い傾向にあります(※2020年度の調査結果による)。
同じ小型犬でも12歳~15歳と寿命に差がある理由としては、犬種により遺伝的に特定の病気を発症しやすいなど特徴があるためと考えられています。
中型犬・大型犬の平均寿命
前述の全国犬猫飼育実態調査によると、中型犬・大型犬の平均寿命は13.81歳と、やはり小型犬に比べて少し短くなります。
中型犬・大型犬も小型犬と同様に、犬種によって寿命が異なります。
家庭どうぶつ白書2022によると、大型犬でもラブラドール・レトリーバー、ゴールデン・レトリーバーは平均寿命が長めです。
一方、バーニーズ・マウンテン・ドッグは最も短い8.7歳と報告されています。
犬種別の平均寿命
飼育頭数が多い人気品種10犬種の平均寿命は、以下の様になっています。
【ギネス世界記録】世界最高齢の犬
2023年1月10日、世界で最も長生きした犬として、ポルトガルのBOBI(ボビ)がギネス世界記録に認定されています。
その記録は、なんと30歳243日!
(さらに同年5月に31歳の誕生日を迎え記録更新中)
BOBIの家族のLeonelさんは、「BOBIの長生きの秘訣は、自然の中で自由に暮らし、愛情に加えて健康的な食事をとっていることだ」と語っています。
平均寿命の倍以上も一緒に暮らせて、BOBIも家族のLeonelさんも幸せですね!
※本件は、「証明できる証拠なし」として2024年2月27日に登録抹消されています。(2024年3月1日追記)
犬の平均寿命が延びた背景
先述の通り、犬の寿命は2010年の13.87歳と比べて0.89年も延びています。
さらに過去のデータを見てみると、1980年の調査開始時には『2.6歳』という驚きの短さです。
当時は食事の栄養状態などもあまり考慮されておらず、飼育環境も現在ほど充実していなかったため、感染症などで子犬のまま亡くなることが多かったようです。
1990年になると9歳まで伸びてきますが、現在と比べるとまだまだ短いですね。
ここでは、犬の寿命が延びてきた背景についてご紹介します。
ワクチン接種・予防薬の普及
40年ほど前は、寄生虫などの感染症によって子犬のうちに命を落としてしまう子が多かったようです。
特に、フィラリア症、パルボウイルス感染症、ジステンパーが死因の上位となっていました。
しかし、現在ではワクチンや駆虫薬が開発されたことにより、それら感染症による死亡例が著しく減少し平均寿命の延伸に寄与しています。
不妊・去勢手術の普及
オスとメスで寿命の差はほとんどありませんが、性ホルモンが関与する疾患のリスクはそれぞれにあります。
それらの疾患は、避妊手術や去勢手術で予防できることが多く、避妊手術・去勢手術の普及も平均寿命を延ばすことに繋がっています。
ドッグフードの普及
ペットの栄養学が発展し、犬種や年齢、体調に合った良質なフードを食べられるようになりました。
そのため、ペットの栄養状態が向上・安定し、寿命の延びに繋がっています。
動物医療の進歩
ヒト医療が進歩すると同様に、動物医療も大きく発展しています。
この発展により、かつては早期発見や治療が困難だった病気や怪我も治療できるようになったことが寿命の延びの理由となっています。
さらに、飼い主の病気に関する知識も向上し、定期的な予防を適切にできていることも平均寿命の延伸に貢献していると考えられます。
犬の寿命を伸ばすための秘訣
では、愛犬と長く一緒に暮らすにはどのような対策をすればいいのでしょうか。
ここでは、長生きの秘訣を5つご紹介します。
健康診断を受ける
予防接種に加えて、定期的に健康診断を受けるようにしましょう。
シニアの場合は、年に2回は受診すると安心です。
健康診断によって気づかなかった異常を早期に発見できだけでなく、犬が病院に慣れるというメリットもあります。
また、万が一の入院の際などにも、犬のストレスを軽減することができます。
犬種や年齢にあった食事を与える
ペットの栄養学の発展により、犬種ごとに必要な栄養素の種類や量が分かってきました。
それら適切なフードを、適切な量・タイミングで与え、食事から健康管理をしていきましょう。
特にシニア期には消化機能も低下してきますので、消化がよく食べやすい食事、食いつきが悪い子には食欲を刺激するような食事の検討が必要になります。
かかりつけ病院で、健康状態に合わせた食事のアドバイスをもらうとよいでしょう。
また、最近は肥満の犬も増えてきました。
犬は胃が大きく1回で1日分の食事を摂ることが可能なため、一気に食べられるだけ食べてしまうことがあります。
1日の適切な量を守り、くれぐれもフードの与えすぎには注意しましょう。
適度な運動を欠かさない
近年は超小型犬の飼育頭数が増え、散歩も含め室内のみでの飼育が増えています。
しかし、健康のためには外で散歩をさせることも重要です。
朝夕2回、1回15〜30分が散歩の目安といわれていますが、犬種・サイズ・年齢・生活環境などによって適切な運動量は異なります。
特にシニア期には過度な運動は負担になることもあるため、愛犬の最適な散歩時間を見つけることが大切です。
犬猫用の活動量計『PLUS CYCLE』を利用すると、愛犬と同じ犬種・年齢の子の平均活動量を目安として運動できるためおすすめです。
去勢・避妊手術をする
先述の通り、性ホルモンに関連した疾患の発症を避妊手術や去勢手術によって予防できる可能性が高いことが分かっています。
避妊手術を行ったメスは26.3%、去勢手術を行ったオスは13.8%平均寿命が伸びたと報告されており、避妊手術・去勢手術の普及は、犬の平均寿命を延ばすことに繋がっています。
ただし、避妊手術・去勢手術には適切な月齢や時期があるので、犬を家族に迎えた時点でかかりつけ病院に相談してみましょう。
ストレスが少ない環境づくり
愛犬にストレスがかからないよう心がけましょう。
ストレス状態になると身体は徐々に抵抗力を失い免疫力が低下してきます。
ただ、何がストレスのきっかけになるかは、その子によって異なります。
例えば、ドッグランで他の犬やヒトと触れ合うことが好きな子もいれば、逆にストレスになる子もいます。
また、幼少期に全く散歩に出ないなど刺激の少ない環境で生活した子は、他の犬やヒトなどが刺激となり過度に恐怖を示す異常反応を起こすことがあり、”極度のストレス状態” になってしまうため良くありません。
愛犬をよく観察し、それぞれの個性に合った環境づくりをしてみましょう。
まとめ
今回は、犬の平均寿命や犬種別・サイズ別の寿命、愛犬が健康で長生きするための5つの秘訣をご紹介しました。
犬の平均寿命は、動物医療の発展や生活環境の改善、飼い主の知識向上などの様々な理由で延びてきました。
しかし、これからはいかに健康的に長生きするか「健康寿命の延伸」が注目されています。
そのためには、愛犬に病気や不調が出始めた時に気付ける「異常の早期発見」や、さらには未然に防ぐ「未病」が大切になってきます。
健康的に長生きすることを目指して、愛犬との時間を楽しく幸せなものにしてくださいね。
PLUS CYCLEの未病への挑戦
PLUS CYCLEプロジェクトでは、犬猫の活動量を軸としたデータ駆動型予防医療の確立/未病の確立を目指し、様々な企業と協力し多角的な取り組みを行っています。
かかりつけ病院とのスムーズな連携
PLUS CYCLE対応病院では、患者のPLUS CYCLEのデータを病院専用アカウントで閲覧することができたり、PLUS CYCLEレポートを確認出来たり、動物病院が開発したIoTデバイスならではの動物病院との連携サービスを展開しています。
PLUS CYCLEで検出した異常をスムーズに動物病院へ連携することで、異常の早期発見をサポートします。
医薬品/サプリメントの治療効果測定
様々な医薬品/サプリメント会社と共同研究を行い、関節炎をはじめ様々な疾患への医薬品/サプリメントの効果を活動量の推移としてPLUS CYCLEで測定することにより「IoTを用いた治療効果の測定」を確立し、再び体調が悪くなった際の「異常の早期発見」を実現しています。
ぜひ、PLUS CYCLEを活用して愛犬との健康的な長生きを目指してくださいね!
【医療監修:日本動物高度医療センター】